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- 奇跡の時
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数年前のことである。ずっと私の闘病生活を支え、家事をし、仕事をし、私の精神的サ
ンドバックとなってくれている夫に「ありがとう」を伝えたかった。
彼の誕生日に何かサプライズができないか・・・・?
彼がこれまでしてくれた様々なことに感謝をしている。
私に元気がないと、暖かいカフェオーレを作ってくれた。
厚焼き玉子が好きだというと、作ったことがないくせに、砂糖さっぷりの甘くて焦げてる厚焼き玉子を作ってくれた。味は美味しいとはいえなかったけれど、 嬉しかった。
練習用にホーネト250というバイクが欲しいと話していたら、誕生日にネックレスの箱を渡され、開けるとバイクの鍵が出てきて、外には赤いホー ネット250があった。
付き合っているとき、毎日のように手紙をくれた。
そしてがんだと分かったときに逃げずにプロポーズしてくれた。
そんな夫に伝えたいたくさんの「ありがとう」。
私は以前より好きなシンガーソングライターがいた。インターネットで地方新聞の記事にその人のことが載っていた。
その新聞社の社会部宛に手紙を書いた。どうかそのシンガーソングライターに私の書いた詩に曲を作って欲しい。それをずっと私の闘病生活を支えてくれている夫に プレゼントしたいと手紙をつけて。
編集者から返事がきた。仕事が忙しく、個人的な頼みに対応していると、きりがないので難しいと思うけれど、あなたの手紙は 渡しました。期待はしないで欲しいと書いてあった。
それから何の連絡もなく1ヶ月が過ぎ、あと3日で夫の誕生日という日。ポストを開けると1通の大きい封筒が 入っていた。発信者の住所はなく、名前だけ。そのシンガーソングライターの名前だっ た。
思わず封筒を開くと、手書きの手紙と1枚のCDとMDが入っていた。
それをプレーヤーにかけて聞いた。
彼のアコースティックギターの1本の弾き語りの歌声が流れてきた。
私の詩に曲をつけ、歌ってくれたのだ。
自宅で録音したので音質は良くないけれど、あなたたちのことを応援しますというメッセージと ともに。
その人は今も活動している誰もが知っているアーティストだ。
お礼状を送るすべがなく、再び地方新聞社の記者宛に手紙を託した。
記者は、私の詩に曲がつき、歌ってくれたことに驚いていた。
そのCDを夫の誕生日に二人で聞いた。何のCDか言わずただ流すと、「えっ? えぇぇぇ?」と歌詞の内容に驚く夫 。そして泣きながら聞いていた夫。
私にとっても夫にとっても最高のサプライズ。それは奇跡の時だった。
その曲のタイトルは、「あなたへ」
いつもあなたは、黙ってわたしのそばにいてくれる
つらい時、泣きたい時、やさしく肩を抱いてくれる
あれから何年もの月日を共にし、
あなたはいつもわたしの笑顔を探してた
バイクの鍵、たまご焼き、あたたかいカフェオーレ
わたしの喜ぶ顔を探してくれた
支えてくれてありがとう 一緒にいてくれてありがとう
あなたに出会えてよかった
あなたと歩めてよかった
いつまでわたしは、あなたのそばにいられるのだろう
もしも遠くへ逝ったとしても、わたしはあなたのそばに
いつも必ずそばによりそっているよ
今度はわたしがあなたの笑顔を探すから
ふたりの写真、結婚指輪、たくさんの手紙
わたしはあなたのやさしさを忘れない
たくさん愛をありがとう しあわせな人生をありがとう
あなたをずっと愛しています
またあなたのもとへ嫁ぎます・・・必ず
奇跡を起こしてくれたシンガーソングライターに今でも感謝しています。 2010年09月04日 13時38分
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