【患者会・乳がん】VOL-Net

患者会の中でも、とりわけパワフルなことで知られる乳がんの患者会。ほかの疾患に比べると患者会の数も多い。その中でも今回ご紹介するVOL-Netは、ちょっと異色の存在だ。代表の伊藤朋子さんにお話を伺った。

トップダウン方式ではなく、合議制。

伊藤さん ほかの患者会に負けず劣らず、積極的な活動を展開するVOL-Net。では、どこがほかの患者会と異なるのか? 患者会というと、カリスマ性のある代表がぐいぐいみんなを引っ張っていく印象が強い。だが、VOL-Netは、基本、合議制。伊藤さん自身、対外的に役割として代表を務めてはいるが、だからといって何か特別な権限があるわけではないと強調する。「従来の患者会には自分たちがほしい情報やケアが少ないと感じた人間たちが集まった」と伊藤さん。設立のきっかけは、ウェブ上の患者会、乳がんメーリングリストTEDDY BEAR。ほかの乳がん体験者との出会いには本当に救われたし、まさに情報の宝庫。だが、そこで得た情報は一切外にもらさないのが鉄則。クローズなコミュニティであることにもったいなさを感じた。もっとオープンに語り合える場、情報共有できる場がほしい———。同じ思いを抱える6人が始めたのが、VOL-Net。2001年から動き始め、2002年に本格的にスタートした。VOL(Voice Of Life いのちの声)を聴き合うことから、QOL(Quality Of Life 生命・生活の質)を高めていく、という意味だ。

VOL-Netの会員は約180名。それらの会員を束ね、会を運営するスタッフは現在18名。事務所を持たないVOL-Netでは、スタッフ同士が会う機会はほとんどない。連絡はすべてメーリングリスト。どうしても必要なときは、チャットでミーティング。直接会ってミーティングすることもあるが、メンバーは8割方フルタイムで働いているため、なにか決定しなければならない事項があるときには、22時にチャットルームに集合! といった按配。チャットのログを残しておいて、参加できなかったスタッフはそれを見る。データ類もウェブ上で共有する。インターネットをフルに活用した、まさに現代型の患者会ともいえる。   しかしながら、ネット上のやり取りだけで顔を合わせない分、ちょっとした言葉のすれ違いから誤解が生じたり、いつまでも案件がまとまらないことがあったりしがちなのも事実。「でもね、自然と調整役を担ってくれる人がいるんです(笑)」と伊藤さん。私が私が!と自己主張する人間がいないし、とはいっても必要な場面では誰かがリードする。もし仮に走りすぎたとしても誰かが止めるという抑制機能がうまく働く。一人ひとりができることをやっていく。付き合いも長く、それぞれの長所も短所も知り尽くしているからこそできる芸当。よい仲間が集まっていることがVOL-Netの強みだ。

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