がんとうつ

内富 庸介先生
国立がんセンター東病院臨床開発センター精神腫瘍学開発部 部長

がんとうつの関係について

がん患者さんとご家族のうつ状態の診療と研究に携わって20数年が経ちました。わかったことは、うつはがんの診断など悪い出来事の後に必ず10~40%の方が経験し、誰にでも起こりうる“心の激痛”であるということです。うつで、がん治療そのものを諦めてしまう方もおられとても残念でなりません。

うつの決定的な要因として明らかなことは、直近の出来事(Life Event)です。このLifeは、quality of lifeと同じく、生命や生活、人生という意味です。生命を脅かすがんだけでなく、仕事を失うことや大事にしている生活や将来を失うことなども大きな出来事です。

どういう症状が現れたら専門家に相談したらよいのか

中心となる症状は、2つです。まず、興味や関心が持てない(新聞、テレビ、孫や友人と会う)、もしくは一日中気分が沈むという期間が2週間以上続く場合です。でも、ほとんどの方はなかなか専門家に相談するまでには踏み切れません。自分だけが弱いのではないかと、自分を責めることが一般的です。
次にうつの症状の半分は体の症状ですので、不眠、食欲減退、5%の体重減少、だるさなどの症状が加わり、これまでの生活に少しでも支障をきたしてきたような場合です。こうした症状が見られたら、「いまはまだいいから」と考えずに、担当医や看護師に、「この病院には心の専門家はいませんか? 」と尋ねてみるといいでしょう。精神腫瘍科、精神科、心療内科が対応します。

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