第15回 総合科
前回は、「自由標榜制」について書きましたが、多くの人はそのことを知らないで受診しているようです。
診療所の看板に上から順に「内科、消化器科、皮フ科」と書かれていたら何が専門でしょう。
あるNPO団体の調べでは、「内科」と回答した人が約半数、「3つすべて」と回答した人が3分の1でした。何が専門科わからずに見てもらっている人が多いことを表しています。
また、複数の診療科目が標榜されていることに対して、「全般的に診てくれるようで安心」と回答した人は42%、一方、「専門外の診療科まで標榜しているようで不安」と回答した人は47%でした。
意見は二分しているようです。
医師からすれば、内科、外科、大人、子どもを問わず、何でも診られる診療所であるということを示すためには、たくさんの科を掲げておいた方がよりわかりやすいだろうと思うのは当然のこと。
では、どうすれば安心感を抱いてもらいつつそのことを示すことができるのでしょう。
その解決策となるのが、「総合科」の新設です。
狭い専門領域ではなく、内科、小児科などの幅広い領域について、総合的かつ高度な診断能力を有する医師であると厚生労働省が認定すると、「総合科」を掲げることができるという案が検討されています。
今後は、「総合科」と看板に書いてある診療所をかかりつけにすれば、自分の心身のことのみならず、家族全員の健康状態などをトータルに把握してくれるのでしょう。
これまでにも家庭医、プライマリーケア(初期診療)医、総合医など様々な名称で総合的に診られる医師の養成が行われてきましたが、医療を受ける側には十分浸透していない感がありました。
最善の策が決まることを願います。
※中日新聞に掲載したものを転載いたしました。
















