第2回■「糖尿病」の分類■

医学博士 岩岡 秀明
船橋市立医療センター 代謝内科部長

1型糖尿病、2型糖尿病の特徴

1型糖尿病2型糖尿病
タイプ
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原因
    ウイルス感染などが引き金となり、膵臓のインスリンをつくり出す細胞(β細胞)が破壊される自己免疫疾患と考えられる
    食べ過ぎ、運動不足、ストレス、アルコール多飲などの生活習慣が関与
症状の現れ方
    風邪のような症状のあと、尿量が増加。のどが渇く、全身がだるいなど、急激に悪化
    日常の生活習慣が誘因となるため、ゆっくり現れる
患者の傾向やせ型が多い肥満型が多い
患者の年齢小児や若年層に多い中高年に多い
割合糖尿病患者の約3%糖尿病患者の約95%
遺伝的な素因あまり関係ない深く関係

1型糖尿病

  • 1型糖尿病は、膵臓のインスリンをつくり出す細胞(β細胞)が破壊されてしまい、インスリン分泌がほぼゼロになってしまうタイプです。

  • ウイルス感染などが引き金となって起こる「自己免疫疾患」(本来は体外から体内に侵入しようとする病原菌などを無力化するための免疫機能が、自分の身体に対して作用してしまう病気)と考えられ、突発的に発病することがほとんどです。

  • 1型糖尿病は、風邪のような症状のあと、しばらくしてから、尿の量が多くなる、のどが渇く、全身がだるくなるなどの症状で発症することが多く、放置しておくと、すぐに重症の状態になり、高血糖性昏睡を起こします。

  • 小児や若年層に多く発病しますが、成人になってから徐々にβ細胞が破壊されてくることもあります。日本人では1型糖尿病は欧米人に比べて少なく、糖尿病患者の約3%が、このタイプです。

2型糖尿病

  • 2型糖尿病は、膵臓でインスリンをつくり出す能力(インスリン分泌)が低下してしまうことと、インスリンに対する細胞の反応性が悪くなること(インスリン抵抗性)の2つの原因により発症します。

  • 日本では圧倒的に2型糖尿病が多く、糖尿病患者の約95%はこのタイプです。

  • 2型糖尿病は、加齢のほか、日常の生活習慣が誘因となって発病するため、「生活習慣病」といわれています。そして、糖尿病の患者数は年々増え続けています。

  • その理由は、現代社会そのものが糖尿病を増やす生活習慣を生みやすい構造にあるからです。食べ過ぎ、運動不足、さまざまなストレス、アルコールのとり過ぎなど、どれも現在増え続けることばかりです。

  • また、2型糖尿病の発病には、遺伝的な体質も深く関係しているため、家族、親戚に糖尿病の人がいる場合には、特に注意が必要です。

  • なお、上記の2タイプ以外に、「その他の特定の機序、疾患によるもの」(肝硬変、慢性膵炎、末端肥大症などの疾患や、ステロイド・ホルモンなどの薬剤が原因となる糖尿病)、「妊娠糖尿病」があります。

本稿の内容は、「よくみる病気がわかる本」(岩岡秀明他編著、照林社 2006年)の「糖尿病」から転載し、一部加筆修正しました。

第1回■糖尿病のしくみ■へ
糖尿病の基礎知識について
第3回■糖尿病の診断とコントロールや数値の指標■へ
糖尿病の診断・指標について
第4回■「糖尿病」の合併症■へ
糖尿病の急性合併症、慢性合併症について
第5回■「糖尿病」の治療■へ
食事療法、運動療法、薬による治療について

岩岡 秀明 先生

岩岡 秀明(いわおか・ひであき)

船橋市立医療センター 代謝内科部長
医学博士

1981年 千葉大学医学部卒業
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会専門医・指導医
日本内分泌学会内分泌代謝専門医
千葉大学医学部臨床教授

【編著書(共同)】
「ここが知りたい! 糖尿病診療ハンドブック(2012年 中外医学社)」
「オールカラー 生活習慣病に視点をおいたよくみる病気がわかる本」

【執筆記事】
日経メディカル2013年4月号「著者に聞く」(転載)
「糖尿病治療薬の選択のコツを詳述、非専門医向けの実践マニュアル」

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