急性骨髄性白血病の診断

1.急性骨髄性白血病の診断

病気を分類することは、治療方針を決定するうえで非常に重要です。フランス、アメリカ、イギリスの血液学メが集まって骨髄性白血病の血液を調べ、形態的な特徴をもとに分けたのが、“FAB分類(French-American-British Classification)”です。FAB分類は、1976年にはじめて提唱されて以後、世界中で使われてきました。骨髄液の中にある細胞を採取し、染色して顕微鏡で観察する骨髄穿刺(こつずいせんし)という検査をし、骨髄性白血病をM0からM7のタイプに分類します。比較的簡単に診断できるため、多くの施設で用いられてきました。FAB分類では、骨髄細胞中に「芽球(がきゅう)」と呼ばれる幼弱な細胞、つまり白血病の細胞(がん細胞)が30%以上を占めるものを、「急性骨髄性白血病」と定義しています。

急性骨髄性白血病 FAB分類

M0 急性未分化型骨髄性白血病
芽球のペルオキシダーゼ陽性率は3%未満ですが、細胞質内免疫ペルオキシダーゼが陽性です。
M1 急性未分化型骨髄芽球性白血病
未熟な骨髄芽球。ペルオキシダーゼ陽性率は3%以上です。
M2 急性分化型骨髄芽球性白血病
成熟傾向のある骨髄芽球。ペルオキシダーゼ陽性率は3%以上。染色体転座でt(8;21)を持つものが多く、比較的予後は良好です。
M3 急性前骨髄球性白血病
骨髄芽球から少し分化した前骨髄球が増加しています。血小板が激減して、出血傾向を示す「DIC:播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)」を合併しやすいです。染色体転座でt(15;17)を持つものが多く、レチノイン酸による分化誘導療法が有効で、予後は良好です。
M4 急性骨髄単球性白血病
顆粒球系と単球系の2系統の血液細胞が、がん化しているものです。inv(16)の染色体異常を持つものは、予後が良好です。
M5 急性単球性白血病
単球系の幼弱な細胞が、がん化しているものです。ペルオキシダーゼ染色だけでなく、エステラーゼ染色でも陽性を示します。
M6 赤白血病
赤血球をつくる造血幹細胞が、がん化したものです。
M7 急性巨核芽球性白血病
血小板をつくる造血幹細胞が、がん化したものです。

しかし近年、白血病の研究が進み、がん細胞の染色体や遺伝子レベルを詳しく調べる検査法や、レチノイン酸(ATRA、アトラ:All-trans Retinoic Acid)を使った治療法等、新しい検査や治療方法が登場しました。従来のFAB分類では限界があると認識されるようになり、染色体や遺伝子変異も含めた新たな白血病の分類法が必要となりました。そこで、世界保健機関(WHO:World Health Organization)が発表したのが「WHO分類」です。分類方法だけでなく、FAB分類で骨髄中の芽球の割合を「30%以上」としていた急性骨髄性白血病の定義を、新しいWHO分類では、「20%以上」としていることも大きな違いです。

急性骨髄性白血病 WHO分類

A.急性骨髄性白血病

1)特異的染色体相互転座を有する急性骨髄性白血病

a)染色体8;21転座を有する急性骨髄性白血病(または融合遺伝子AML1/CBF-α/ETOを有する)
FAB分類の8;21転座を有するM2に相当します。
b)急性前骨髄球性白血病(染色体15;17転座または融合遺伝子PML/RARαを有する)
FAB分類のM3に相当します。
c)骨髄中異常好酸球増多を伴う急性骨髄性白血病(染色体16番逆位または16;16転座または融合遺伝子CBFβ/MYH 11を有する)
FAB分類のM4Eoに相当します。
d)染色体11q23異常を有する急性骨髄性白血病
FAB分類の11q23異常を有するM5に相当します。

2)多血球系異形成を伴う急性骨髄性白血病

a)骨髄異形成症候群から転化した急性骨髄性白血病
b)多血系異形成を伴う初発の急性骨髄性白血病

3)治療に関連した急性骨髄性白血病と骨髄異形成症候群

a)アルキル化剤と呼ばれる抗がん剤使用に関連した急性骨髄性白血病
b)抗がん剤であるエピポドフィロトキシン関連の急性骨髄性白血病
c)その他のタイプの急性骨髄性白血病

4)上記以外の急性骨髄性白血病

a)急性骨髄性白血病最未分化型
FAB分類のM0に相当します。
b)急性骨髄性白血病未分化型
FAB分類のM1に相当します。
c)急性骨髄性白血病分化型
FAB分類のM2に相当します。
d)急性骨髄単球性白血病
FAB分類のM4に相当します。
e)急性単球性白血病
FAB分類のM5に相当します。
f)急性赤白血病
A)分化型:FAB分類のM6に相当します。
B)未分化型
g)急性巨核芽球性白血病(FAB分類のM7に相当します)
h)急性好塩基性白血病
i)骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症
j)腫瘤形成性急性骨髄性白血病(骨髄肉腫)
B.急性混合性白血病

骨髄芽球とリンパ芽球の2種類の白血病が混在したもの(2系統混在型)と、1つの白血病細胞が両方の性格を持ったもの(二重表現型)があります。

その他、WHO分類では明確には定義されていませんが、骨髄で細胞があまりつくられずに、細胞数そのものも少ない“低形成”の状態でありながら、芽球の割合が20%以上存在するときには、「低形成白血病」と診断されます。高齢者に多く、末梢血でも白血球減少や貧血、血小板減少、すなわち「汎血球減少症」を示します。

出典:国立がん研究センターがん対策情報センター

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