慢性骨髄性白血病とは

骨髄性白血病は、がん細胞が保持する分化能により、急性と慢性に分けられます。慢性骨髄性白血病は、フィラデルフィア(Philadelphia:Ph)染色体という特異的な染色体異常を持ちます。Ph染色体は、9番染色体と22番染色体の転座によってできる異常な22番染色体です。正常な22番染色体より小さくなり、確かめることが比較的容易であったため、がんに特異的な染色体として最初に発見されました。Ph染色体を持たない慢性骨髄性白血病は、全く異なった疾患であり、他の慢性骨髄増殖疾患として扱われます。

白血球は通常、「芽球(がきゅう)」と呼ばれる未熟な細胞が骨髄中で分化し、成熟した白血球となって骨髄から末梢血に出ます。その際、数は一定に調節されています。急性骨髄性白血病では、がん化した芽球は正常な細胞のようには分化しないで、骨髄に芽球のままとどまるため、血液中の細胞は減少します。一方、慢性骨髄性白血病は正常細胞のように分化して限りなく殖えるため、血球数は増加します。

慢性骨髄性白血病が発症する原因は、解明されていません。すべての年齢層で発症しますが、中年以降に多くみられ、発症中央値は53歳です。男女比は 1.3:1でやや男性に多く、わが国における頻度は10万人に1~2人と比較的まれで、成人における白血病全体の約20%を占めます。

慢性骨髄性白血病の症状

慢性骨髄性白血病は、慢性期、移行期、急性期(急性転化)に分けられます。慢性期の場合は無症状であるため、現在は健康診断で偶然に発見されることが多くなっています。急性白血病と異なり、初診時に貧血症状、感染症、出血傾向を合併することはまれです。

白血球数は、発見された時期により差があります。病気の進行とともに、血液中の白血球数と血小板数は増えます。その後、骨髄の中ががん細胞でいっぱいになり、赤血球が圧迫されて減少するため、次第に貧血になります。白血球数が増加するに従って、全身の倦怠感(けんたいかん)や、脾臓が腫大(しゅだい)することによる腹部の膨満感などの症状が現れます。

慢性骨髄性白血病の診断

血液検査で白血球数が増加していた場合に、慢性骨髄性白血病が疑われます。まず、血液で増加している細胞を顕微鏡で調べます。好塩基球があり、正常に分化した顆粒球が増殖の中心であった場合、次に骨髄穿刺(こつずいせんし)という骨髄の検査を行います。

骨髄穿刺は皮膚を消毒し、局所麻酔の後に胸骨(胸の中央にある骨)、または腸骨(腰の骨)に骨髄穿刺針という細い針を刺し、骨の中にある骨髄液を注射器で吸引して採取します。この骨髄液中に含まれる細胞の形を顕微鏡で調べ、併せて染色体を用いたり、FISH(Fluorescence in situ Hybridization)と呼ばれる方法でBCR-ABL融合遺伝子の検査をします。

Tリンパ球とBリンパ球の一部はPh(BCR-ABL)陰性ですので、末梢血で検査をするときには注意が必要です。染色体検査により、Ph染色体以外の付加的異常に関する情報も得られますが、結果が出るまでに時間がかかります。一方、FISH法は、BCR-ABL融合遺伝子を迅速に検出することができます。

診断後は、治療を受けるために必要な臓器に異常がないかどうかの検査を行います。脾臓の腫大の程度(予後因子の1つ)をみるために、腹部超音波(エコー)あるいは腹部CT(断層撮影)などの検査を行います?

出典:国立がん研究センターがん対策情報センター

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