第8回 標準治療
数年前、母を悩ましている慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が悪化したときのこと。
内視鏡手術をして膿を除去する方法があることを本で知り、かかりつけの耳鼻科医に相談に行きました。
するとその医師は、「僕は手術はすすめない派です」と言い、手術をしてもまた膿が溜まることなど、手術を受けることのデメリットを説明してくれました。一方で、書籍には手術を受けることのメリットが書かれています。
迷った挙句、母は「手術を推奨しない派」の医師に、「内視鏡手術をすすめる医師」宛てに紹介状を書いてもらい、自分のケースは手術したほうがよいかどうかを聞きに行くことにしました。
患者の治療法が科学的根拠に基づかず、医師の「派閥」のようなもので決まるとしたらそれは大きな問題です。病気によっては医師の卒業大学や勤めている病院ごとに治療法が異なることもあると聞きます。
多くの病気にはそれに応じた「標準治療」があります。
手術や投薬などの治療経過のデータを積み重ねた結果、「この方法を取れば、一番効果が現れやすい」という治療法が確立されているのです。
治療を受ける際には、臆せず「この病気の標準的な治療法は? 」と医師に聞いてみるとよいでしょう。
後日談:「内視鏡手術をすすめる医師」に紹介状を書いてもらった母は、その医師に手術をすすめられ、手術を受けました。それから5年・・・。
一度、悪化し、しばらく通院しましたが、現在は症状も安定し、再手術を受けることもなくよい状態が続いています。
※中日新聞に掲載したものを転載いたしました。
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