痛み止め・消化管の狭さくによる嘔気・嘔吐(おうと)の原因と対処法

嘔気とは、嘔吐せずにいられなくなるような不快な感覚であり、しばしば、顔面蒼白(そうはく)、冷汗、唾液分泌、頻脈、下痢などの自律神経症状を伴います。
嘔気・嘔吐の原因は、胃腸障害、薬物、毒物、感染、前庭器への作用(乗り物酔い)などさまざまです。

「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」の副作用

原因

嘔気は「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」を飲みはじめたときに出やすい副作用の1つです。

オピオイドによる嘔気・嘔吐は次の3つの原因から生じます。

  • ・延髄(えんずい)の化学受容器引金体(Chemoreceptor trigger zone、CTZ)を直接刺激し、その刺激が嘔吐中枢に伝わる(化学受容器引金体にはドーパミンレセプターがあり、「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」はこのレセプターに作用することにより、嘔吐を引き起こすと考えられています)

  • ・前庭器を介して化学受容器引金体を間接的に刺激する(ふらつき感を伴った乗り物酔いに似た嘔気・嘔吐が、体を動かしたときなどに出現する場合は、前庭器の過敏が原因と考えられます。)

  • ・胃の運動低下によって、内容物の停滞と胃壁の伸展が生じる(オピオイドは、胃の前庭部の緊張により運動性を低下させ、胃内容物の停留が生じます。)

嘔気は「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」の開始直後からみられ、約1/3の人に生じ、嘔気の程度は個人差があります。たいていの場合、2週間程度でなくなります。まれに嘔気のコントロールに苦慮することがあり、モルヒネ以外のオピオイドへの変更が必要となる場合があります。

対処方法

「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」を服用するときに、吐き気(はきけ)止めの薬を一緒に飲むと、嘔気はなくなります。吐き気止めの薬が必要なのは約2週間です。吐き気止めを開始しても1日3回以上嘔吐する場合や、「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」が飲めない場合は、医師、看護師、薬剤師にご相談ください。

「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」を服用して、何時間後に嘔気が生じたかを記録しておきましょう。そうすることで、嘔気が、「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」の血中濃度が一番高い時間と重なっているかを調べることができます。

また、乗り物に乗ったとき、体を急に動かしたときなど、どのようなときに嘔気が生じたかを記録しておきましょう。食事との関係も記録しておきましょう。「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」の血中濃度が一番高い時間と、食事の時間をずらすこともできます。

  • ・食事は消化のよいものをゆっくりとり、刺激や匂いの強い食物は避けましょう。

  • ・音楽を聴いたり、テレビを見るなど気分転換しましょう。

  • ・軽い体操で精神的な緊張を取り除き、リラックスした気持ちを持続できるような環境をつくりましょう。

  • ・嘔気が起こってしまったときには、右を下にして横になり、腹式呼吸をします。また、冷水でうがいをするなどして、口腔内を清潔にしましょう。

  • ・部屋の換気を良くして、臭いなど吐き気を誘う因子をなくしましょう。
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