がんと就労

林 真理さん

がん患者の就労―――厳しい現実

いまや2人に1人が罹患し、国民病ともいわれるがん。「がんの社会学」に関する合同研究斑(主任研究者 山口建静岡県立静岡がんセンター総長)は2003年、がん体験者の悩みや負担などに関する実態調査を実施した。

報告書「がんと向き合った7,885人の声」によると、診断時点で会社勤務だった2,625名中、同じ会社に勤務中の人は47.6%と半数以下。
3人に1人が離職し(依願退職30.5%、解雇4.2%)、休職中の人も8.7%。事業などを営んでいた694名では、現在も営業中68.0%、休業中7.7%、従事していない5.7%、廃業した13.2%となっている。

また、回答者が抱える悩みや負担の中で、「就労と経済的負担」(「医療費」「仕事復帰・継続への不安」「がん罹患による仕事への影響」など)は、「不安などの心の問題」「症状・副作用・後遺症」「家族・周囲の人との関係」に次ぎ、4位(15項目中)と上位である。働きざかりの世代にとっても他人事ではない状況だ。

就労に関して検討する際の注意点

患者は告知の瞬間から長期にわたりさまざまな意思決定を迫られるが、就労もそのひとつである。
「がん」と一口に言っても、部位、症状、治療法、患者個人の置かれた環境などあらゆる面で個別性が強く、簡単には一般化できないが、就労について検討する際の基本的注意点などをまとめてみたい。

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