化学療法と性生活について

①男性編

男性の場合、精子を産生することができなくなっても、男性ホルモンであるテストステロンは正常に保たれていることが多いため、性生活を送る上での支障は起こりにくいと考えられています。
しかし治療によってはテストステロンの量が低下したり、神経障害が起きたりすることによって性欲や勃起に影響を与えることがあります。しかし、これは一過性であると考えられています。

性欲の低下
テストステロンの量が正常であっても、治療後の倦怠感や病気に対する不安などのストレスにより性欲が低下する場合があります。
個人差はありますが、心身の回復を十分に待つことも重要です。 焦らずに、性的なエネルギーが今は落ちていることをパートナーにも理解してもらうことが大切です。
勃起障害
化学療法後、勃起しにくくなったり、性交の最後まで勃起を維持することが難しくなった経験をされた患者さんもいます。これらは治療による影響だけではなく、ストレスや体調が十分に回復しないために集中できないことなども影響します。
もし、治療後、回復するまで数ヶ月休養をとっても改善しないようであれば、勃起障害の原因を調べる検査を受けることができます。不安から生じる性的な問題は、カウンセリングを受けることで解決する場合もあります。
造血幹細胞移植後、ごく稀にペニスの表面にGVHD(移植片対宿主病)が起こり、性交時に痛みや出血が伴うことがあります。ペニスに異常を感じたら、早めに担当医に相談しましょう。
性生活の再開について
抗がん剤の精子への影響を考え、化学療法が始まったら、治療が終わるまで避妊しましょう。男性の場合、精子の形成期間を根拠とすれば治療終了後3ヶ月程度経てば抗がん剤の影響はなくなると考えられます。
いつから性生活を再開してもよいかという明確な答えはありません。ただし、抗がん剤の副作用で感染や出血の可能性が高い時期には注意が必要です。
性感染症予防のためにもコンドームを使用することや性交の前後はシャワーを浴びるなど清潔にするよう気をつけることが必要です。体力が回復していなかったり、気持ちが性生活に前向きになれないようなときは無理をしないようにしましょう。
また、病気になる前と同じようにはいかなかったとしても、あなたとパートナーが今、楽しめることを大切にすることも必要なのではないでしょうか。

小冊子『化学療法を受ける大切なあなたへ そしてあなたの大切な人へ』
(2008年3月作成)より転載。


監修
自治医科大学付属さいたま医療センター血液科 神田 善伸 先生
東京慈恵会医科大学医学部看護学科 渡邊 知映 さん

Special thanks
PAL(Patient Advocate Liaison)

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