化学療法後の妊娠・出産の安全性について

①女性患者の妊娠の可能性

卵巣機能が回復していれば、化学療法後の自然妊娠は胎児への影響が少ないと言われています。
卵巣機能の回復は、治療開始の年齢にも影響されます。しかし、凍結保存している受精卵あるいは未受精卵を用いる場合は卵巣機能が回復していなくても、ホルモン補充療法によって妊娠する可能性があります。

②妊娠・出産・子どもへの影響

2001年のヨーロッパ報告※では、実際に造血幹細胞移植を受けた37,362人の患者さん中、113人の女性の患者さんと119人の男性の患者さんのパートナーが妊娠し、のべ271人の子どもが生まれました。

子どもの奇形や発育の遅れは、一般の妊娠・出産に比べて同じぐらいの頻度でした。しかし、造血管細胞移植後の出産は、通常の出産に比べ帝王切開、早期産、低体重児の頻度が高く、母子ともに高リスク出産として扱う必要があると言われています。

※Salooja, N.et al. : Lancet 358(9278) : 271, 2001

③ホルモン補充療法

化学療法や造血幹細胞移植後の卵巣機能が低下している女性に対しては、骨粗鬆症や更年期障害の予防のためにホルモン補充療法を行うこともあります。
ただし、乳がんや子宮体がんなどホルモンの影響を受けやすいがん患者さんの場合には、基本的にはホルモン補充療法を行うことができません。

小冊子『化学療法を受ける大切なあなたへ そしてあなたの大切な人へ』
(2008年3月作成)より転載。


監修
自治医科大学付属さいたま医療センター血液科 神田 善伸 先生
東京慈恵会医科大学医学部看護学科 渡邊 知映 さん

Special thanks
PAL(Patient Advocate Liaison)

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