主な養生法・代替医療の紹介

恒川 洋
恒川クリニック院長

代替医療は、西洋医学とは異なる経緯で発達し、不調の改善や健康維持に利用されてきたものです。鍼や漢方薬といった東洋医学や伝承医学、あるいは生活の中での養生と、その内容は幅広いものです。
人間を「まるごと」とらえるホリスティック医学では、患者の個性や状態に合わせて、これらの医療を組み合わせていきます。中でも、養生(ようじょう)は、いのちを養い、元気に暮らす知恵の総称です。養生の柱となるのは、「息(呼吸)」、「食」、「体」、「心」の4つです。
がんの治療や予防、体質改善という観点に限らず「よりよく生きる」ための方法として、すべての現代人に実践してほしい内容です。家族で一緒に取り組めば、健康維持にも役立ちます。
気に入ったものから生活の中に取り入れてみてください。

  • 息…呼吸法(腹式呼吸)
  • 食…食事療法(玄米菜食など)
  • 体…ビワの葉温灸、スワイショウ(中国式体操)など
  • 心…瞑想など

息の養生

呼吸法の目的は、「調息(呼吸を意識的に整える)」によって、「調身(体を整える)」し、さらには「調心(心を整える)」ことにあります。

腹式呼吸
息を吐くことに意識を集中して行います。口から、細く長く息を吐き出し、同時に、体や心から不必要なものを吐き出すようにイメージします。息を吸う時間の倍かけて、息を吐き出すのがポイントです。心身共にリラックスできる方法です。最適なのは、朝起きて太陽を浴びながらと、夜寝る前。1日2回以上、1分でも5分でも、リラックスできたと感じる長さで続けましょう。

食の養生

食事療法の目的は、食事を変えることで、がん体質を改善することです。東洋医学では食が体をつくると考えます。重要視するのは排泄。便秘の解消につながる食事が基本となります。

穀菜食
玄米や胚芽米、麦など(精白されていない穀物)を主食とし、緑黄色野菜や豆類・キノコ類・海草を中心として、味噌・しょうゆ・納豆などの発酵食品を組み合わせた食事内容です。がん体質を改善するのに向いているたんぱく質は、納豆、大豆、豆腐、魚やシジミなどの貝類から摂るようにします。「一物全体(丸ごと食べる)」と「旬の物を食べる」ことも重要です。

体の養生

東洋的な運動、「動」的な養生の目的は、毛細血管や静脈からスムースに心臓に戻すこと、多くの二酸化炭素を吐き出すことです。つまり「環流と排泄」を重視します。
「静」的なものとしては、皮膚やツボを通して体に刺激を与えることがあてはまります。「ビワの葉」を組み合わせることで、血液浄化作用、鎮痛作用の効果が期待できます。

【動的なもの】

スワイショウ(中国式体操)
足を肩幅に開いて膝をゆるめて立ち、前後や左右に両手を振る簡単な動きです。手を振るスペースさえあれば、体力のない人でも気軽に取り組めます。

ほかにも…

  • 太極拳
  • 気功
  • ヨガ
  • 西式健康法
  • 操体法 など

【静的なもの】

ビワの葉温熱療法
ビワの葉エキスを足裏などのツボに塗り、もみほぐしたり、温灸を施したりするもの。遠赤外線を利用した温圧器(「ユーフォリアQ」)を使う方法もあります。

ほかにも…

  • 鍼灸(ツボ刺激)
  • 指圧
  • あんま
  • 温泉浴、足浴 など

心の養生

自然治癒力を発揮するためには、潜在意識(無意識)という土を豊かにすることが重要です。「療養の樹」が花咲き、実をつけるためには、豊かな土に心という根をしっかり張ることが必要です。潜在意識から得た栄養が、心を通って、体・食・息という幹を太くする。そうしてはじめて、「治療」の結果が出るのです。

瞑想
自分自身の体と心、魂の存在や、それらの相互作用のしくみを理解するために行います。
外部からの邪魔を受けない空間を用意し、静かに座って、浄化をイメージし、吐く息の長い呼吸をして心を落ち着けます。1日1~2回、1回あたり15~20分が適当です。歩きながら行う「ウォーキングメディテーション」というスタイルもあります。

ほかにも…

  • カウンセリング
  • アートセラピー(陶芸など)
  • 笑いセラピー
  • 自律訓練法
  • 祈り
  • サイコセラピー
  • カラーセラピー
  • ミュージックセラピー
  • 座禅
  • 内観
  • 写経
  • 書道、華道、茶道、香道 など

(番外編)「ビタミンC」の働き

がんの代替医療として注目されているものに「ビタミンC」があります。ビタミンCは食事からとっても一定量を超えると吸収されず、体外に排出されるという性質があります。さらにストレスの多い現代社会では、体内のビタミンCが利用されるスピードが速いため、食事だけは足りない場合が多いのです。
サプリメントで補給するほか、「点滴」として血液にアプローチする方法もあります。
ビタミンCには40もの働きがあるといわれます。その中でもがんの治療や予防に効果的な作用に次のものがあります。

  • 抗酸化作用
  • 活性酸素、悪玉ラジカルを捕捉する
  • ストレスに対抗する(副腎皮質ホルモンやカテコールアミンの生成と維持に関わる)
  • インスリン様の血糖低下作用がある
  • 鉄欠乏性貧血を防ぎ、治す
  • ビタミンAと共に血栓を防ぎ、溶かす
  • 抗腫瘍作用がある
恒川 洋先生

恒川 洋(つねかわ・ひろし)

恒川クリニック院長

 
1948年名古屋市生まれ
1973年昭和大学医学部卒業
国立名古屋病院消化器科、高山久美愛病院内科、名古屋大学医学部第一内科、名鉄病院消化器科部長などを経る
1990年恒川消化器クリニック副院長
1991年東海ホリスティック医学振興会を設立し、会長に就任。
ホリスティックな医療や健康、養生などに関するセミナーや講習会、教室の開催と情報の発信を中心に、患者、家族、医療者、療法家などが自由に交流できるネットワーク型の「場」づくりを推進している。
2005年恒川クリニック院長。藤田保健衛生大学医学部客員教授。医学博士。

【参考サイト】

【著書紹介】

  • 『現代養生法ガイド』(新日本法規出版)
  • 『がん治療に? を感じた時に読む本』(ライフ企画)ほか。

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