ホリスティック医学、補完療法・代替医療とは何か?

恒川 洋
恒川クリニック院長

がん治療の現場では、手術や化学療法といった医療が、日々進歩を遂げています。しかし、これら西洋医学の手法は、がんになった部位を切り取ることや、がん細胞を攻撃することには有効ですが、苦手としていることもあります。それは、「手術後の生活の質を上げるには? 」「再発を防ぐにはどうすればいい? 」といった、患者の人生に関わる問題です。

そこで近年、注目されているのが、がんになっても「元気に生きる」「自分らしく・人間らしく生きる」ことをサポートする、「ホリスティック医学」という考え方です。
ホリスティックとは、ギリシャ語の「ホロス(全体)」を語源とした言葉です。つまり、ホリスティック医学とは、物事を全体的に、丸ごと捉える医学のことです。ホリスティック医学では、人間を構成する要素には、身体だけでなく、心や精神、そして周りの環境も含まれる、と考えます。部分的に問題があっても、全体としてのバランスを保ち、調和が取れている状態を目指します。

ホリスティック医学では、「補完(ほかん)・代替(だいたい)医療」を積極的に取り入れています。これらは、現代の西洋医学の方法とは軸が異なるものです。針灸や漢方薬といった東洋医学や、マッサージなども代替医療のひとつです。その種類はさまざまで、養生と呼ばれる「免疫力を高める健康法」も含まれます。
ホリスティック医学では、これらの治療のよさを評価し、患者の個性や状況に合うものを、組み合わせて提案していきます。

緊急性を要する場合には西洋医学を、がん体質の改善など時間をかけて取り組むものには東洋医学や伝承医学、養生法を。
それぞれの得意なこと・苦手なことを見極めて、自分に合った使い方を探すことが、賢い患者の知恵といえるでしょう。

恒川 洋先生

恒川 洋(つねかわ・ひろし)

恒川クリニック院長

 
1948年名古屋市生まれ
1973年昭和大学医学部卒業
国立名古屋病院消化器科、高山久美愛病院内科、名古屋大学医学部第一内科、名鉄病院消化器科部長などを経る
1990年恒川消化器クリニック副院長
1991年東海ホリスティック医学振興会を設立し、会長に就任。
ホリスティックな医療や健康、養生などに関するセミナーや講習会、教室の開催と情報の発信を中心に、患者、家族、医療者、療法家などが自由に交流できるネットワーク型の「場」づくりを推進している。
2005年恒川クリニック院長。藤田保健衛生大学医学部客員教授。医学博士。

【参考サイト】

【著書紹介】

  • 『現代養生法ガイド』(新日本法規出版)
  • 『がん治療に? を感じた時に読む本』(ライフ企画)ほか。

1
Member_bn_1

ご意見ご感想をお聞かせください ライフパレットは、みんなでつくっていく、患者コミュニティサイトです。ご意見ご感想をフォームにご入力の上送信ボタンを押してください。