情報収集~小児がん~

【掲載日】2009年01月16日
【更新日】2009年10月30日

西田 知佳子さん
聖路加国際病院 ソーシャルワーカー

まずはお子さんを安心させることから

こんにちは。聖路加国際病院のソーシャルワーカーの西田です。IT関係は苦手なアナログ世代ですが、遠く離れた病院の情報を得るときには必ずネットを開きます。ロケーション、病床数など病院の概要が簡単に手に入り、一昔前に比べると探す作業は随分簡単になりました。とはいえ、便利さは同時に失うものもあると自戒しています。
今回私に与えられたテーマは、「子どもが小児がんと医者から告げられたときどのように情報収集したらよいか」と「病院選択」ですが、その二つは切っても切れない関係であり、実際にそのような状況に陥ったとき、両者とも短時間に緊急に解決しなければならない最初の大きな関門です。

いま、子どもを持つ親御さんのほとんどが日常生活の中でインターネットを利用しているでしょう。そこでお子さんが重大な病気になったとわかったとき、ネットで情報を収集する前にぜひしてほしいことがあります。多くの場合、子どもの調子が悪くて近所の病院に連れて行くが風邪(?)でなかなかよくならず、別の大きな病院を紹介され(あるいはたまりかねて)受診し、血液検査の結果などで「小児がん」と告げられることが一般的だと思います。

もしかしたら…?と不安になっているところに恐れていた病名を告げられるわけですから、親は打ちのめされて落ち込むのが当たり前です。ときには両親がお互いを責めたり、あるいは自責の念に陥り、子どもの気持ちはそっちのけになりがちです。子どもは親の感情に敏感です。普段行かない病院に行き、普段はしない検査をされ、周囲の大人が深刻な表情をしているその様子だけでどんな小さい子どもでも不安を感じます。子どもの年齢に関係なくこれからどんなことが起こるのだろうかと得体の知れない恐怖におののいているはずです。まずはお子さんの気持ちを察し、安心させてください。「入院が必要な病気のようだけどお母さんやお父さんがついているから心配することない」とお子さんが理解できるように説明してあげてください。

迷ったり不安なときはソーシャルワーカーに相談を

最近は多くの病院で病気がわかった時点で病気の説明と今後の治療方針が説明されるはずです。
「インフォームドコンセント(説明と同意)」と言われていますが、患者に説明をして患者の同意を得てから治療に入るのが一般的です。
とは言っても全国すべての病院がそうしているわけでもないと思います。もし病名もきちんと告げられないままにお子さんが入院となって抗がん剤の治療を始めますと言われたらそのときは勇気を出して、「ちょっと待ってください」と言うべきです。そしてその病院のソーシャルワーカーに事情を説明して納得できない旨をお話ください。もしその病院にソーシャルワーカーがいなかったらすぐに【がんの子供を守る会】(電話:03-5825-6312:月曜日~金曜日 10時~16時)に連絡しましょう。 適切な情報とその地域で相談できるソーシャルワーカーや守る会の会員を紹介してくれます。もしネットを開く余裕があったら国立がんセンターが出しているがん対策情報センターの情報を見てください。その他の情報はひとまずおいておきます。というのは、ネットでは緊急に良質な情報を手に入れにくく、さまざまな情報に気持ちが左右されがちで、さらに消化できなかった欲求不満がその人を苦しめます。このようなときに必要な個別の情報は、相互交流の結果得られると私は信じています。

子どもの治療が始まり少し余裕が出てきたら昨年末に出版された中央公論新社の「小児がん チーム医療とトータル・ケア」 をぜひお読みください。さらにネットのさまざまな情報を見つけることもあるでしょう。そのときもその情報をすぐ医者にぶつけるよりどのように主治医に尋ねたらよいかぜひソーシャルワーカーに聞いてください。主治医が気を悪くしない尋ね方を教えてくれます。

とくに、守る会のソーシャルワーカーは小児がんに関しては熱心に勉強していますから親の疑問に対してそこで解決できることもあります。守る会は電話相談ができますからソーシャルワーカー不在の病院ではぜひ活用なさることをおすすめします。

パレットメモ

参考サイト

がんの子供を守る会
http://www.ccaj-found.or.jp/
がん対策情報センター
http://ganjoho.jp/public/cancer/index.html
西田 知佳子 さん

西田 知佳子(にしだ・ちかこ)

聖路加国際病院 ソーシャルワーカー

  • 1947年生まれ
  • 1970年 立教大学卒業
  • 1978年 東京大学医学系保健学科博士過程修了
  • 1986年 聖路加国際病院医療社会事業部入職 現在に至る。

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