医療のしくみ/健康保険

小俣 智子さん
武蔵野大学人間関係学部社会福祉学科専任講師
小児がんネットワーク『MN(みんななかま)プロジェクト』代表

医療のしくみ

社会全体で生活を保障する社会保険制度の1つに、「健康保険」があります。これは、社会で生活するすべての人が、保険料を納めることによって、誰でも病気になったときには3割負担(高齢者の場合は別のしくみになります)で医療機関にかかれる制度です。残りの7割分はどうなっているのかと言いますと、7割は私たちが毎月払っている保険料と国の財源(社会保障費)から医療機関に支払われています。

1回の治療でいくらかかるかは、「診療報酬」というしくみによって決まります。「診療報酬」とは、すべての医療行為を1点10円と点数化したものです。治療にどれくらいの費用がかかるかは、この診療報酬の点数によって決まります。たとえば、がん患者に痛みを緩和する薬が処方された場合、がん性疼痛緩和指導管理料100点、胸のレントゲン(1枚)166点、また入院すると1日1300点(看護配置7対1)というふうに決められています。1300点であれば、それに10円を掛けて13,000円になり、うち3割、つまり3,600円を窓口で支払うという計算になります。

ちなみに2年に1回改正される診療報酬は、財源赤字、医療費削減のために毎回点数引き下げが行われています。これによって、点数の少ない長期療養患者が医療機関から締め出され「ベッド難民」という言葉も生まれています。重度の障害や特定疾患、がんなどの患者には加算をつけることで対処していますが、現状は厳しいようです。

健康保険の種類

保険料を支払っていれば、必ず保険証をお持ちかと思います。大企業のサラリーマンを対象にした「組合管掌健康保険」、中小企業のサラリーマンを対象とした「政府管掌健康保険」、公務員は「共済組合」、自営業や仕事に就いていない人を対象とする「国民健康保険」と、職業が何かによって保険料を支払う先が変わってきます。2008年10月、医療の適正化によって政府管掌保険が解体され、都道府県ごとの「全国健康保険協会管掌健康保険」に移行されました。どんな保険に入っているかぜひお持ちの保険証を確認してみてください。

1 2 次のページへ
Member_bn_1

ご意見ご感想をお聞かせください ライフパレットは、みんなでつくっていく、患者コミュニティサイトです。ご意見ご感想をフォームにご入力の上送信ボタンを押してください。